私はもう何十年も私という人間について
日々探求したり学んだり新たに気付かされたりしているのだけど
ある時インドが舞台のこの映画をみて
またいろいろ気付いちゃったのだった 😎
「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」
なる日本らしい日本語タイトルの
イギリス映画
THE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL
実は以前一回飛行機の中で流し見したのだけど、
そのときは全キャスト年配すぎだし(※一部インド若者がいるが)
フランス語字幕なしで英語のみだし、いまいち流れつかめず、
きわめつけ泥酔してるしで、あーもうなんか退屈だーと思って早回しとかしてた、
けど最近DVDレンタルしてみたといううちの母情報によれば
「なかなかいい映画だったわよ」とのことで
えー?そーうー?と思い、もう一度仏語字幕付きでちゃんと見てみたら、
あ、いいわ、地味にジワーーっとくるいい映画だったわ。
やはり映画は意識集中してある程度大きい画面で見なきゃだめだわ。
内容は、さまざまな事情でインドにやって来たイギリス壮年男女の
悲喜こもごも人生のお話。
夫に先立たれた未亡人、外国嫌い排他主義なのに手術のために
いやいやインドを訪れた老女、長年一緒にいるんだろうけど何もかも
かみあってない夫婦、人生とか青春やりなおしにきたおじさんおばさんなどなど
それぞれが後ろにいろんなものを抱えている。
イギリスがらみの映画はオールアメリカ映画のようなド派手さが
なくて地味なのだけど後から心にジワジワくるものが多いようにおもいます。
監督は「恋に落ちたシェークスピア」のジョン・マッデン
主役は007シリーズMでおなじみジュディ・デンチやら
超大御所、ハリポタ重役マギー・スミスやら
ほかにもアンダーワールドというヴァンパイア映画ですんっげっーーー
怖い親分役やってるビル・ナイ、(※ビルはパイレーツオブカリビアンもやばい)
ゲイの元判事役トム・ウィルキンソンなどなどその他、
イギリスの年配ベテラン俳優が勢ぞろい。
そしてなによりインドが舞台、私ただでさえインド行きたい方なのだから、
再見してあらためてやっぱりこの作品はスルーできないなと思いました。
まずインド行きたいとか興味あったら必ず見るべし映画、
それから「異国、異文化に暮らす」ことに興味あれば見といて損はない映画。
昔から外国大好きなのでそれが高じて住んだり
現在でもすき好んで旅の多い生活をしているのですが、
自分の育った、慣れ親しんだ文化圏じゃないところに身を置くというのは
かならずしも愉快なことばかりではない。冒険とかアドベンチャーってたまに疲れるし、
砂漠を旅していればあーきついなー、と思うこともあるし、
宿泊先にドライヤーないだけでもすごいへこむし、
生活事情の異なる環境にいけばしばしば困惑したりもする、、、
それでもなんやかんや、外国が嫌いじゃない、、自分の国でおとなしくしていられない
なにかが異国にはあるんだよね、、というあの言葉で説明できない本能の奥底が
うずうずする感覚、、そんなある種の人間のもつ異国に対する心の機微も
インドという特殊な異文化舞台のこの映画ではよく表れています。
そして個人的に一番感銘をうけたのはゲイのおじさんのストーリー、
ネタバレちゃうのでここから先知りたくない方は読まないほうがいいかも 😯
で、
書くよ 😛
とりあえずトム・ウィルキンソン扮するグレアムの死にざまが
なんとなく自分の理想だったこと。イギリスで何十年もエリート判事として
キャリアを築いたものの、彼が人生の最後に一番したかったことは、
祖国も仕事もなげうって、大昔インドに住んでいた頃すごく好きだった
のにもかかわらずある時を境に自分のせいでその人の人生を台無しに
してしまったのではないかという自責の念にずっと駆られていたインド人男性を
なんとかして探しだし、一目会うこと。
それで最終的に見つけたのです。そしてその翌日
長年の想いを果たしたからか満たされた様子であっさり自然死。
死体はひっそりインドで焼かれるのですが、ずっとある想いだけを胸に秘め
ずっと一人で生きてきた、子供も家族も特にいないグレアムの
この世に残したもののなさ加減が私も自分が死ぬときこうでありたい、
とおもうほどシンプルだった。何も残さずただ焼かれるだけで、それでいいなと。
たとえば皆が結婚してるからって必ずしも結婚しなくていいし、
皆が子供もつからって必ずしももたなくていいし、
人間って皆と同じように生きなくっていい、本当に自分にとって大事なことを
大事にしたらいい、アウトサイダーでいることを恐れる必要はないし、
むしろそれはとても素敵なことだ。
とはいえ相当なるアウトサイダー思想の持ち主であるわりに
私には偶然にも家族=夫がいるので、自分が死んだときのこと、
または夫に先立たれたときのこと、普段からすごくよく考えています。
先に死んだ場合、ダンナに何をどういう形で残してあげるのがベストか、
または自分が残された場合どんな環境をある程度準備しておけば
それはそれはひどくつらいであろうダンナなしの余生をのりきれるか、
理想的なスタイル、暮らし方、老後を考えるのとおなじくらい、
理想的な死に方のことなども 。
あ、それから劇中ジュディ・デンチのさりげないインド風のスタイルも
私の老後の理想にちかいかもと思う、インド綿みたいな長いチュニックをほわっと着て、
シルクみたいな軽いショールをさらりと首元に巻き、おでかけのときは
リネンかコットンみたいな生成りのポーチなどくしゃっと持って
どこかかわいらしいやんわりエキゾティックなおばちゃんスタイル。。。
将来老後の私、湘南とかに住んでこんな格好して海辺のあたりよく散歩してる
不思議ばあさんみたいになるかもしれない。そのときの所持品はせいぜい
スーツケース2個分程度であってほしい。。。現在30代、まだ世間的にはぎりぎり若さに
浮かれてる年代?だけど実際10年後20年後なんてきっとすぐそこだし
こうしてブログでフランス暮らしがああだこうだとうわついたこと?書いていたって、
最後は灰になるのだからな。だから早めにいろいろ考えをめぐらせておくのが好き 🙂
そしてこの映画はそんな数十年後の自分にとって
何かヒントやエッセンスの多い作品だった。
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