数週間前訪れたのは、
久しぶりの南イタリア、
シチリア。









パリから直行便で2時間もかからない
場所だけれど、到着して飛行機を降りた途端
肌に染み込んでくる異国感、気候の違い、
言語の違い、歴史と文化の違いから生まれる
空気感の相違にどれほどワクワクすることでしょう!
さて、私の好きな旅のスタイルはガイドブックを
コンプリートすることにはないので、やたらと
ガチガチに詰め込んだメジャー観光ツアーよりも、
「その土地の空気感の享受」がメインとなる。
なにげなく訪れる街や自然をそぞろ歩いたり、
時には同じ場所でずっとまったりするのが主流です。
それからやはりそこは外国映画育ち、機会があれば
テーマを決めて、自分の好きな映画のロケ地を
訪れるというスタイルもよくとります。
今回のシチリア旅行最大の狙いはメッシーナと
カターニアの中間にあるタオルミーナという町を拠点にして、
フランシス・フォード・コッポラ監督の
不朽のマフィア映画傑作『ゴッドファーザー』(1972)
の撮影に使われたサヴォカ(Savoca)という村を訪れること。








ここは映画の中でアル・パチーノ演じる主人公、
マイケル・コルレオーネと最初の妻アポロニア
(シモネッタ・ステファネッリ)の結婚式が
行われるシーンなどに使用されているそうです。

すこぶるニューヨーク育ちの、イタリア系では
あるけれどもバリバリのアメリカンである
マイケルが、豊かな自然と人懐っこい親しみと風情溢れる
シチリアの田舎でイタリア人の彼女に一目ぼれをして
結ばれ、つかの間の幸福を掴むもののすぐにマフィア間
の抗争に巻き込まれ死なれて嘆くシーンは、なかなかに
長大なゴッドファーザーシリーズの中でも個人的にとりわけ
印象的なパートで、一体どのような雰囲気の土地で撮影された
のかというのはずっと気になっていました。サヴォカ自体は
崖の上の方にある、拍子抜けするほどがんばっていないというか、
時代にやや取り残された感のある限界集落のようにも見える村ですが、
シチリア独特の、進むことをやめて時が止まったような
雰囲気が不思議と心地よく味わい深い、と同時にコッポラが撮影当時の
1970年代によくここに目を付けたなあと改めて監督の目線に感心しました。
いずれにせよ本物を見る機会に恵まれるというのは
実にいい思い出と体験となるものです。












それから特筆すべきは、相対的フランス人に比べ明るく
親しみあふれフレンドリーな人の多いシチリア滞在中に
しょっちゅう痛感したことといえば、
少しくらいイタリア語勉強してくればよかった!
ということ。学生時代にもイタリア人の友達は数人
いたのでほんの少しかじってみたいなあとしばしば
考えてはいたのですが、なんとなく英語やフランス語で
なんとかなってしまうし結局はタイミングなく
実現ならず、
ああ、あの頃もうすこし努力をしていれば・・・
とはいえ語学の学習に遅すぎるということは
ありませんのできっとやる気さえあれば今から
でもできるはず。フランスからそう
遠くもない国であるからちょっと
がんばって短期で
イタリア留学なんてしてみたらお
もしろそうかも、、と
幾度も素敵な空想にふける旅となりました。
普段の自分だったらおもいつかないような感覚が
生じたり、すでに失われたと思っていた語学への
あこがれが突如湧き上がったり、これだからやっぱり
旅と外国体験はやめられないのだな。
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