7月にダンナとおこなった
フランス北部ピカルディ方面ベ・ド・ソンムツアー
ゆるりゆるりとなんとなく
「今日はここいってみよっかーー!」というかんじで
車を走らせる系ユルツアーだったのだが、
あとあと調べたら結構な勢いで
知らぬ間に元祖フランス国民的スター
ジャンヌ・ダルク通過足取り地点を
たどっていたことが発覚。
ある時、天の予言を期にいたいけなる
田舎少女でありながら勇敢に15世紀の
フランス王国の軍人として活躍した
彼女の人生は何度も映画化されていたり
芸術的テーマとして取り上げられ文献などにも
当たり前のように名が挙がるのでこのブログ読む
時点でジャンヌ・ダルクのことを知らない人は
まずいないだろうという割合で詳細は省きますが
フランスといえばジャンヌ・ダルクというくらいに
有名なのは間違いない、と推測。
ある日訪れた、ソンム湾に面した
風光明媚な港町
サン=ヴァレリー=シュル=ソンム
(Saint-Valery-sur-Somme)
今では観光客がぷらりと訪れる古き良きフランス
の小さな町、という印象ですが10世紀頃ユーグ・カペーの
時代にはすでに地理的に重要な役割を果たしていた場所らしい。
サン・マルタン教会Église Saint-Martinは
港町らしくどことなく海を意識したオブジェが目立ちました。
このあたりの海のかんじはなんやら独特ねえ~
とダンナと語らいながらとある門など
くぐってみ、、
ようと、
おもい、
ふと横にあったヒストリカルガイドの看板チラ見したらさ!!!
なんと!
この門はあのジャンヌ・ダルクさんが
通ったというので有名でその名も堂々
Porte Jeanne d’Arc
ジャンヌダルク門でしたからね!!!!
さっさか通り過ぎるダンナを呼び戻しーの、
ちょっとーーちみ!これすごくない??
ここに来る瞬間までジャンヌのことなんて
1ミリも考えてもいなかったわけで、そもそも
ジャンヌ・ダルクといえば1400年代くらいの
人なので、歴史的にあまりに昔々すぎてやや伝説の
人物くらいの勢いの人だから、実際彼女の肉体が
ここガチで通った、という事実って結構驚異的なこと
であるなとだいぶ感動してこれはもうとにかく
ジャンヌ感にじみ出る写真を撮ってくれよとか
ダンナに頼んで必死すぎてジャンヌ感ゼロの図↓
ジャンヌ・ダルクがこのジャンヌ門を
通ったのは彼女の人生最後の方、
イングランドとの戦いに破れて囚われの身
となり、裁判にかけられ火刑となる地、
ルーアンまで向かう道のりだったもよう。
後で調べてみるとジャンヌは結構ベ・ド・ソンム
周辺から、
なども通っていたらしく、当時フランスの強敵
イングランド軍が拠点としていた
(ランチしようと思ったが観光客多すぎてダンナがいらついてやめた地)
からこちらに向かったという説。
ちなみに日本の元祖ジャンヌ・ダルク的存在といえば
ぶっちぎり風の谷のナウシカではないかとおもうのですが
ナウシカの敵側登場人物にクロトワという
名前の人がいるのは駿の偶然なのだろうか?
クロトワの図↓
それから個人的にジャンヌ・ダルクといえば、
共にイングランド軍と戦っていた軍人にして
元祖スーパー有名シリアルキラーにして
シャルル・ペローの怖いおとぎ話「青ひげ」のモデル、
ジル・ド・レ Gilles de Raisのことが頭に
浮かんでやまないのも私の思考回路の特徴である。
彼についてはジョルジュ・バタイユも
書いているし、仏文学生時代なかなかハマった
ユイスマンスの、「彼方」という小説の
モデルでもあり、もちろん大好きな
澁澤龍彦師匠もガンガン言及しているので
もう昔から気味悪いなー残酷だなーと思いながらも
ずっと気になる存在で、そんな超有名猟奇的殺人鬼
として不名誉に後世に名を残すジルみたいな人が
かたやイノセントの象徴的乙女にしてフランスの
聖人に列せられているジャンヌと
(処刑時には異端魔女扱いでしたが)
同じ時代に同じ軍に属して同じ空気吸って
おそらく同じ釜の飯さえ食っていただろう
というのがいつだってとても興味深い。
(よくマブダチ説があるが確証はない)
それでジル・ド・レについてもっとちゃんと
勉強しようとおもいつきネットで調べていたら
とある記事を発見して大変おもしろかった↓
まず、百年戦争というものをざっくり単純に
イギリスVSフランスだけの戦争ととらえず、
絶対王政に入る前の、もっと複雑な事情入り組む、
そもそも「国家」という概念自体が希薄な時代の
中世フランス国内においての、そこに渦巻く王国と
大貴族などの封建諸侯の有する欲と力と思惑的存在の
輪の中の一人物であるジル・ド・レを通して当時の
状況を見据えてみてる点。
ジル自身が置かれていた、強大な権力ある領主としての
特殊な立場から彼の人生ととりまく環境を客観的に立証、
分析するという試みにより、やたら部分的クローズアップ
されがちな残忍極悪非道な歴史的猟奇的殺人人物という
ポイントだけに重きをおかないことで新たな公平目線が生じ
偏見なくジル・ド・レとこの当時のフランスの時代背景を
なぞることができたりした。それにしても今も昔も莫大な金と
権力を持ちつつ暇を持て余す人間は知的追求だとか良い方向に
向けた自己コントロール能力に欠けるというか、ジルの場合は
錬金術とか快楽殺人とか、今だったら薬物とか酒と女とか
変態プレイにはまるみたいな、なんでそっちいっちゃうかなー
というものに現を抜かすもので、せっかく生まれもった財力や
強運の着地点そこってのが残念だなと改めて思う。
いつの世も、つまるところ他人に迷惑かけず、さほど
からまず、まきこまず、実直善良に自分の人生を地道に
生きるのが一番大事かなとジルドレから学ぶ瞬間。
そんなわけで偶然訪れた地をきっかけにまたしても
たくさんの気づきに恵まれてしまって楽しさ倍増の
旅であった(・´з`・)
さて、ランチはコッテコテに、大好きな鴨のコンフィまさかの
クリーミー&クリーミ―仕立て、(重い!)ダンナは
がっつりのステーキ!フランスの歴史の重みとか
食事の重みは比例してるかもetc…
デザートのパンナコッタはちゅるっと食べれて好き♡
応援クリックしていただけるとありがたい!!↓↓↓