ある日、フランスの
地方都市リヨンから
友人夫婦がパリに
週末バカンスにやってきた。




「よさげな店を見つけたから
一緒にランチをしよう」
とさそわれる。
よさげな店?
事前に聞いてくれれば
パリのことなのでこちら
で調べるんだけどな、、
まあわざわざ彼が
行きたいというのだから
まあその店でいいだろう。





と、さほど何も調べず
にいったら意味もなく
日曜日だったというのも
あって一人75€
(日本円11000円くらい?)
のコースしかないという。
え、、すっっごいやだ、、
ランチに私たちは
1万越えを全く
使いたくない夫婦である。
経費とかおごりなら
ともかく。素でいやである。

友人の手前だまって
ニコニコしていたが、
常に以心伝心している
私とダンナは心の声で
「まじかよ、やめたい、
今すぐ店でたい」とつぶやきあう。
もうずっと一緒にいるから、
思考回路まで動線
かぶりまくりの
me&dannaだけに
ダンナが何を感じて
ているか、私には秒で
わかる、ダンナも私が
大体わかる。


でも友人達はパリ観光で
きてウキウキしている
わけで、観光客ってのは
最初からお金を落とす気
満々できているもので、
値段なぞさほど気にして
いないだろう。友達の
妻にいたっては近頃は
出張月1でニューヨーク
通いの生活のためドル高の
現地では相当質の大した
ことないゴハンを食べても
1万円越えレベルはあまりにも
あたりまえすぎて金銭感覚が
そういうかんじである、
が、私たちはその時
日本帰りでコスパよすぎたり
実家帰ったりおいしいもの
なんて日本でたくさん食べて
きているわけで無駄に高い
パリの外食に率直にいらつく。



値段のわりにスタッフ教育、
サービスの質は一般的
ビストロと同レベルだし、
出てきたものは私とダンナが
とある環境でよく食べている
ものに酷似しているので
ありがたみはそうない。
ユズ、ワサビ、味噌、枝豆、
和牛、などの日本食材を
ちりばめてオシャレ感が
演出されてガチな外国人は
こういう「ツウっぽい気分」
になれる仕様に実に弱くて
「おお~」というかんじだが、
何度もいうがだから私たちは
日本帰りだししゅっちゅう
日本にいるのでそれは何も
珍しくなく、
ただただ75€をこれに
つかうならサンダルに
使いたかった、、ダンナは
我慢していた自転車の部品が
買えた、、極小デザートに
ついてた苺はたったの
一個分だったね、

と友人たちと
別れてからおそらく五日
くらいずっとぶーたら
ふたりで語り愚痴りつづけた。
母にも愚痴ったらそんなの
気にしてたら老けるわよと
言われた。老けたくはない。
だから、ある日やめた。
でも今さら写真見ながら
思い出した。
不服の記録をしておくとする。
全然別のある日はダンナの
会社の友達と3人でビストロで
ふつうに鴨のコンフィとか
をたべたりした。
一皿20€しない。


こっちのほうが自分はOK.
帰りにお家に寄ったら
友達がデザートに
ココナッツミルクの
おしるこを作ってくれた。
お餅がお手製で柔らかく
これはすごいなとおもった。

